Windowsで普通にやるアレをMacOSではどうするか (a.k.a. なんでMacOSってWindowsのあの操作ができないの?)【作成中】

普段はメインでWindowsを使っててMacは補助で使うくらいな私。

本格的にMacを触る必要が出てきましたのでぼちぼち使ってるんですが、Windowsでやってきた操作ができないのがストレスです。

ストレスのあまり、Quoraでこんな返答記事を書いてみたりしました。

jp.quora.com

しかしまあ、愚痴を言っても始まりません。

というわけで、いろいろ調べた結果を残していこうと思います。同じWindows派の助けになれば…。

 

「それはこうするとできるよ!」ってのがあればコメントで教えてもらえると幸いです。

 

代替操作が一応わかったもの

・Finderで開いているフォルダと同じ場所をアプリのファイルダイアログで開く

Finderのタイトルバーのアイコンをファイルダイアログにドラッグするとその場所を開いてくれます。

https://book.mynavi.jp/macfan/detail_summary/id=75756

この操作はWindowsでやるとフォルダ自体を移動してしまうのでドキドキしますね。

・ウインドウの最大化(メニューを表示した状態での最大化)

Better Snap Toolで、最大化ボタン(緑ボタン)の中クリックにウインドウ最大化を割り当てました。あと、いわゆるAeroSnapの操作(ウインドウをディスプレイのてっぺんまたは左右に当てる)もできるようになります。微妙に違いますけど贅沢は言わない。

・Finderで表示しているフォルダのパスをコピーする

Windowsではアドレスバーがあるのでそこからコピーまたは右クリックして「アドレスのコピー」ですね。

 →Option(Alt)キーを押しながら、フォルダのツールバーの「アクション」→「○○のパス名をコピー」

FinderPathというアプリでアドレスバーっぽいものを追加することができました。ただ、アプリが古いのと、BigSurでデザインが変わったのでちょっとおかしな表示になってしまいますね。

・Finderで開いているフォルダをカレントディレクトリにしてターミナルを開く

Windowsですとエクスプローラのアドレスバーにcmdと打つとかです。

→一つ上のフォルダに移動して、フォルダのアイコンを右クリック→フォルダに新規ターミナル

・Finderで、「一つ上のフォルダに移動する」操作

Windowsみたいにマウスでワンタッチでやりたいんですけども。

 →メニューの移動→内包しているフォルダ(またはCommand+↑)

代わりが見当たらないもの/現在調査中のもの

・Finderでフォルダやファイルの右ドラッグメニュー/マウスだけでファイルやフォルダのコピー

そもそも右マウスボタンではドラッグできないですよね?

Windowsでは右ドラッグで移動やコピーを選べるのでマウスだけでどちらもできるんですが。

・ワンタッチでエイリアスを作る

Windowsでは、ファイルやフォルダを右ドラッグしたらそこにショートカットを作れるんですが、MacOSではエイリアスを作る操作をしてから移動しないといけないような?

・Finderでの、マウスのサイドボタンでの戻る/進む

ブラウザと同じく、2本指スワイプでできればいいのに…

・ファイルコピー/移動中の一時停止

たまにちょっと一時停止したいんですよ。

・Finderで、複数ファイルを選択するときに、1つめをクリックしてから最後のファイルを選ぶことでの複数ファイル選択

 Windowsでは、1つめをクリックしてから、最後をShiftを押しながらクリックで「ここからここまで」ができるんですが、Macではできない。タイル表示の時に矩形選択では不便な場合が多いんですよね。

 

Amazon Transcribeが日本語対応したとのことなので試してみた(書きかけ)

(書きかけです)

以前、会議の文字起こしをGoogle Speech to Textでやってみましたが、クラウドプラットフォームとしてのライバルのAmazon Web ServicesAmazon Transcribeが日本語対応したということで、どんなもんか試してみました。

 

文字起こしの流れ

  • (前準備)AWSのアカウントを取得し、支払いの設定も済ませておきます。
  • S3に適当な名前でバケットを作り、録音したファイルをアップロードします。
  • Transcribeで、ジョブを作成し、実行します。
  • できあがった文字起こし結果のJSONファイルをダウンロードして、そのまま使ったり必要に応じて加工したりします。

実際の操作

S3に適当な名前でバケットを作り、録音したファイルをアップロードします。

S3(サービス→ストレージ→S3)を開き、

Transcribeで、ジョブを作成し、実行します。

Transcribe(サービス→Machine Learning→Transcribe)を開き、

できあがった文字起こし結果のJSONファイルをダウンロードして、そのまま使ったり必要に応じて加工したりします

 

Google Speech to Textとの比較

  • オペレーションをブラウザ上のUIで行えるので、少なくともコマンドラインでやる必要があるGoogleよりは作業の敷居は低い。
  • 変換結果はJSONで返されるのですが、JSONの加工をするのにjqやsedを使おうとすると一旦ダウンロードしてローカルで加工したりしないといけないので、そういう意味では結局はAWS CLIなんかで作業した方がいいかも。
  • 変換結果のJSONは、形態素で分割されて分割ごとに半角空白が混ざるので、そのままではちょっと使いづらい。
  • 変換精度はGoogleのほうがやや高い気がする。といっても五十歩百歩かなぁ?
  • カスタム語彙データの日本語対応がまだの模様?

ここ半年くらいGoogle Speech to Textに動きがないのでこれを機にどちらも精度向上に頑張ってほしいと思います。

Illustrator CCにおける「変数」でつまらないところでハマった話

幸か不幸か、今やIllustratorは印刷物を作るのに欠かせない存在であるわけですが(アイサツ)。

お客さんが、運営しているイベントで出演者のリストを集めた冊子をいつも作っておられまして、いつも大勢の出演者さんの名前やプロフィールをひたすらIllustratorにコピペして紙面を作っておられるんですけども、これがなかなか大変であると。

今のIllustratorには「変数」という機能があって、そいつを駆使することで労力を省けるのではないかと思ったので、そいつを使うお手伝いをさせてもらうことになりました。

…というところで無駄にハマった話です。

「変数」とは

Illustratorの変数機能についてはここらをご覧ください。要はワープロソフトで言う差し込み印刷にあたる機能です。

https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/data-driven-graphics-templates-variables.html

https://blogs.adobe.com/japan/dtp-illustrator-kihon-tips-10/

「変数」用のデータセットを作る…が、エラーが出て読み込まない?

Illustratorの「変数」機能では、1行目に列名を書いて、2行目からデータという形のCSVXMLを作って食わせます。

今回はだいたい1ページに6組程度のグループ名、出演時間、メンバー名、プロフィールを載せますので、1ページ分を1行、30カラムくらいのCSVにデータを整形しました。

 

列名は、出演順の番号を頭に付けて、1name,1time,1member,1profile,2name,2time,2member,2profile,3name,3time,… という風にしました。

これを読み込ませて、テキストオブジェクトにバインドします。これによって、データセットを選ぶだけでテキスト枠などに一気に値がはめ込まれますので、手間の削減になる…んですが、何をどうやっても読み込み時にエラー。

文字コードUTF-8で間違いないはず。BOMはない方がいいらしい。

CSVとはコンマ記号で区切った表形式のデータですが、思わぬところに余計なコンマが紛れ込んだりしてデータとしておかしくなるのはよくあることです。が、どう見ても正しいデータ。

念のため、1name,1time,1memberだけの3列1件のシンプルなデータにしてもエラーになります。

Adobeのサポートに投げてみる

手詰まりになったのでAdobeのサポートに問い合わせてみました。

こっちのCSVも送ってあっちで再現するか試してもらいました。するとあちらでもエラーに。

しかもAdobeでもなぜエラーになるのか原因がわからないとのこと。なんでや。

サポート側で適当に作ったデータはちゃんと通るとのこと。

「お客さんのほうで作ったデータに見えない不正なデータが紛れ込んでいる可能性が高いが、それが何かはわからない。」とのこと。秀丸エディタVisual Studio Codeでちゃんと読めるテキストファイルなのでそんなはずはないと思うんですが。

 

あちらで適当に作ったデータを送ってもらってこっちで開いたところ、エラーは起こらず開くことができました。なんでや。

原因判明

まあともかく、データに何らかの問題があるのは間違いないので引き続き原因を検討してますと、ある一つの原因に思い至ります。

巷にあるプログラム言語でも今回の「変数」機能とは異なりますが「変数」という概念があります。わりと変数名はアルファベットで始まらなければならない言語が多いです。数字や記号で始めると怒られます。JavaScriptとか。

もしかしてそういう制限に引っかかっているのでは? いやでもプログラムの変数じゃなくてこれはただのデータのラベルでっせ? まあ一度やってみよう…と1行目の各データの先頭の1を削除。

通 り ま し た。

制限があるならドキュメントに書いとけやヽ(`Д´)ノ

というわけで、Illustratorの変数機能で原因不明のエラーに困っている方は列名の頭に数字が紛れ込んでいないかどうか確認しましょう。

Adobeのサポートには、それが仕様ならドキュメントに追記してほしいし、そうでないならとっとと直すようにお願いしておきました。(未だ追記されず)

データセットを作るときの注意点まとめ

  • 1行目の列名の先頭が数字で始まっていないか
  • UTF-8でBOMなしが正式らしい
  • データの中にコンマが紛れ込んでいないか
  • データの中にダブルクオーテーションが紛れ込んでいないか
  • 上記の記事には画像リンクのパスに空白があるとダメとあるけど、入ってても通りました(Windowsだけかも)

PowerPointの謎のエラーに悩まされている(解決)

お客さんのところで、パワポを使う時にエラーが表示されて困る現象が出てまして、原因がわからずに困っていましたが、ひとまずこちらのケースでは解決したことにします。

 

(追記)

少なくとも今回のお客さんのケースではGoogleのDrive File Streamが悪さをしている可能性が高そうです。
記事末尾に追記しています。

 

f:id:youichirou:20181119151819p:plain

現象としては、

  • LAN上のファイルサーバーのPowerPointファイルを開くと「問題が発生し、PowerPoint の動作が不安定になっています。プレゼンテーションを保存してPowerPoint を再起動してください。」というエラーメッセージが出てくる
  • OKを押してもまたメッセージが出てくる
  • OKを押さずにほっておくとどんどんメッセージが増えてくる

ということが起こり、事実上、ファイルサーバー上のパワポを開けない状態になります。

特定のパソコンでだけ起こる症状ではなく、ここ1~2週間で次々と現象が発生するPCが増えていっています。

そうなると、WindowsUpdateとかウイルス対策とかの定期的な更新があるところに原因があるんじゃねーの、と思えるんですが、今のところ原因は不明です。

共通点としては

の2点。

やってみたこととしては、

  • Mcafeeが悪さをしてそういう状況になることがあるらしい→ここではESETなのですが、ESETをアンインストールしても同様に出てくる
  • WindowsUpdateのせいか?→システムの復元で症状が発生する1週間以上前の状態に戻してみた→やっぱり出てくる
  • アドインが悪さをしているのでは→そもそも特に入れてないけど、Google Driveのアドインとかが入っているので無効化してみたがやっぱり出てくる
  • PowerPointをセーフモードで起動してどうか→やっぱり出てくる

Microsoftの有料サポートでリモートで触ってもらっても有力な原因は見当たらず。

回避策としては

  • 保護モードが発動した時にエラーが出る模様→なので、ファイルサーバーのファイルに限らず、インターネットからダウンロードしたファイルであっても出る→セキュリティセンターで保護モードを無効にすればとりあえず問題なく利用できる(不用心だけど)
  • PowerPointを「管理者として実行」すれば保護モードが有効でもOK(めんどくさいけど)
  • 新しくユーザーアカウントを作ってそちらで作業すれば、管理者で実行しなくても、保護モードが有効でもOK

下二つからすると、ユーザーごとに起こっているようなので、ユーザープロファイルに何かが起こっているように思えますが具体的なところはわからず。

できれば保護モードは有効で使いたいし、管理者として実行とか面倒くさいことはしたくないので、新しいユーザーの方に環境を移せば良さそうなのですが、原因が判明していないのでそのうち新しいユーザーの環境でも同じことになるのではないか、という懸念があります。

追記

コメントでGoogle Drive File Streamが悪さをしている可能性がある情報をいただきました。

Google Drive関連では以前、DriveのアドオンでExcelとかが不安定になったことがあったこともあって、確かに可能性はありそう。

ということで、

f:id:youichirou:20190123165720p:plain

症状が出ているパソコンで、Drive File Streamの設定を開き、「Officeのファイルを編集しているユーザーを表示し、自分が編集している場合は他の編集者と共有する」をオフにしてもらったところ、保護モードでもPowerPointが落ちなくなりました。

とはいえ、これもあくまで回避策ですのでこれで解決とするのもちょっとアレではありますが。

切り分け的にはGoogle側のせいってことになるのかなぁ?

Googleのサポートに問い合わせてもらうようお願いしてはみました。

 

会議の文字起こしをGoogle Cloud Speech to Text APIの音声文字変換でやってみたい(研究中)

Google Cloud Platformの機械学習系サービスの Speech to Text を使って、会議を録音した音声を用意して、ブラウザでいくつかコマンドを打つだけのお手軽作業で(特にSDKなどのインストールやコーディングナシで)文字起こしさせてみよう、という話です。

 

 

前書き

私は某「女子中学生みたいな略称の団体」に所属しておりまして、そちらでは毎月行われる理事会の議事録を取る業務があります。

だいたいは総務係の人がやるので私の仕事ではないのですが、毎月総務の人らは数時間分の会議の議事録を会議の何倍もの時間を必死こいて文字起こしされているので、ここは本業の知識を生かして面倒くさい文字起こしを自動化することができれば売りつけて小遣い稼ぎに…もとい本業と団体活動で多忙を極める総務の人たちも助かり、恩を売れる…もとい文字起こしという生産性がない業務以外の活動に注力してもらえるのではないかと考えました。

全体の流れ

全体のプロセスとしては

  1. 会議をできる限り高品質に録音をする
  2. クラウドAPIに録音データを食わせて文字列を得る
  3. 文字列の校正、手直し

という流れになろうかと思います。

目指すところと目指さないところ

専門用語も多いんで完璧な文字起こしは無理でしょうが、「人間がイチから起こすよりは早い」くらいになるといいなぁ、といったところ。

上の2と3を合わせた長さが元の会議の時間より短くできると理想。

※「一人の人間が会議音声を聞きながら再度はっきりと発音したモノを認識させる」アプローチがわりと有効のようですが、本記事ではそっちはあえて扱いません。

それぞれのプロセスについて

1.録音について

さて、まずは録音ですが、

GoogleAPIは録音された音声データを元に文字列に変換するわけですから、「いかに高品質に録音したモノを食わせるか」がほぼ全てです。機械学習だのAIだのの進歩以前に、機械から観て聞き取りやすい良いデータか用意できるかどうかがキモですので、まずは録音自体を頑張りましょう。

 

それはともかく、会議の状況としては以下になります。

  • 発言する可能性がある人数はおよそ10人~20人程度
  • それらが入る会議室での開催
  • それぞれPAマイクまたは会議マイクシステムで発言する
  • 所要時間は2~6時間くらい

 小規模な会議の時のPAマイクとはこういうやつで、ワイヤレスのマイクを3本くらい回しながらやります。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%91%E3%83%8A%E3%82%BD%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF-Panasonic-300MHz%E5%B8%AF%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%97-WX-PW31/dp/B002NS2L5Y/

中規模の会議の時はもうちょっと本格的な会議マイクシステムがあります。

CCSシリーズ -CCS900 Ultro-|会議用マイクを選ぶなら「BOSCH会議システム」|ソリューション・サービス一覧|東和エンジニアリング

 こういうやつですね。

 

 とりあえず、小規模な会議の場合はPAマイクになりますのでそっちの録音をしてみます。

ウチの備品のPAマイクはLINE-OUT(AUX-OUT)が付いていないのでボイスレコーダーPAマイクの前に置いて録らなければなりません。

 Google SpeechAPIでは

・モノラルで
・MP3等で圧縮されていないもの

が推奨されているので、モノラルのWAV形式で録ります。

録音した後は音声データをSpeech APIに食わせます。

 

2.Google Speech to Text APIで変換をする

(意識の低い)文字起こし処理の手順概要

GoogleのSpeech to Textはいろいろなサイトで解説されているのですが、しっかりとした手順(ちょっと試すには面倒くさい)で解説するページが多く、とりあえずどんな塩梅よ、と試すレベルであればCloud Shellでやりましょう。

これだとコードを書かずにいくつかの比較的簡単なコマンドを打つだけでいいのでお手軽です。SDKのインストールも不要でブラウザだけでいいです。繰り返しが面倒くさくなってきた頃にコードやUIの整備を考えるくらいでいいのではないでしょうか。

まずは準備として、

という準備。

毎回の変換の手順は以下の通り。使うコマンドは最低限3つ+αなので簡単ですね。

  • Cloud Storageのバケットに音声ファイルをアップロードする(ブラウザにドラッグしたらいいです)
  • Cloud Shellを開く(Cloud Platform Console画面の右上にボタンがあります)
  • 以下のコマンドで認識処理を実行(これはWAVで16bitで44.1kHzの場合の設定です)
  • $ gcloud ml speech recognize-long-running '(バケットにアップロードした音声ファイルのURL ※)' --language-code='ja-JP' --encoding='linear16' --sample-rate=44100 --async
    ※音声ファイルのURLは gs://(バケット名)/(ファイル名) の形式になります。
  • 処理のIDが発行されるので適当にメモする(応答の中のname:に続く数字がIDです)
  • しばらくバックグラウンドで処理が実行されるので、終了し次第結果を保存するように以下のコマンドを実行する。
  • gcloud ml speech operations wait (ID) > (ファイル名).json
  • 終わり次第JSONで結果が保存されるのでそれまでほっとく(30分くらいしか待ってくれないので、長いファイルの場合タイムアウトでエラーになります。その場合はもう一回実行しましょう)
  • そのままだと人間では読めないので適当な方法でデコードする。以下はjqコマンドを使う例(Cloud Consoleでは最初から使えるようになっています)
  • $ cat (ファイル名).json | jq '.' > (任意のファイル名).txt
  • どうせconfidenceとかダブルクォートとかいらないので、発言部分だけ抜くならこう(でもなぜかエラーになる場合が)
  • $ cat (ファイル名).json | jq -r '.results.alternatives.transcript' > (任意のファイル名).txt
  • 必要に応じてsedなりなんなりで改行コードを変えてもいいですね。nkfは入ってないのですが。
  • または以下のサイトとかで。
    JSON整形 | URLエンコード・デコード - tatenosystem.com
  • 保存したファイルをダウンロードする
  • dl (ダウンロードしたいファイル名)

 

注意点としては

  • ステレオでしか録れないボイスレコーダーだと何らかの方法でモノラル(1ch)に変換しないとエラーになります。
  • 食わせられるデータは1GBまでです(WAV 16bit 44.1kHz モノラルですと約3時間強分)
  • リファレンスによると最大180分とありますので、長い会議では何らかの方法で分割します。
  • PAの前にボイスレコーダーを置く方法ですとどうしても雑音や反響を拾ってしまうのでAUX-OUTがある機種だとそれで録った方がいいでしょうね。

最初に適当なボイスレコーダーで適当に試したところ結果としては散々だったので、もうちょっと録音品質を上げる方法を詰めてみようかと思います。(下の「もう少し録音に凝ってみた」の節を参照。)

3.校正や手直し

固有名詞や人名とかへの対応など

当然ながら音声というのはいわばカナだけの文章であるわけで、それにどんな漢字を割り当てるかはAI次第です。ある程度係り受け等の文脈を意識した漢字変換がされるようではありますが、固有名詞や人名はどうしても同音異義語が混ざってしまい精度に限度があります。

この場合、頻度の高い単語や人名(特に出席者)をまとめて変換時にヒントを追加すると精度の向上が期待されます。

ヒントの追加は gcloud ml speech recognize-long-running のコマンドに --hints オプションをつけます。

書き方は --hints=[単語1,単語2,単語3,…] となります。並べた単語に近い音が現れたときに優先的にこれらの単語が選択されるようです。

とはいえ、英語であればアルファベットなので発音と文字が概ね一致するので効果が高そうなのですが、日本語の漢字は読みとは直結しないためあまり効果は見込めなさそうです。

従って現在はヒントで使う単語の漢字とカタカナの対応表を作って、一旦ヒント単語を漢字ではなくカタカナで指定して変換するようにしています。このようにすると固有名詞がすべてカタカナで出てくるので、できあがったものを別途テキストエディタで置換します。同音異義語が多い現場では辛くなってきますが、不規則な誤変換をされるよりはマシです。

単語が多くなると置換操作も多くなるので、適当なエディタのマクロ機能とか使うと早いでしょう。

口語体への対応

会議は人間同士のやりとりになりますので口語体がどうしても混ざります。

逐語型の議事録の場合でも、口語体そのままではなく一部書き直す場合もあるので、口語体の語尾等を文語体の形に置換しておけば手直しが楽になります。

同じく「えー」「まあ」「あのー」など、議事録には載せない単語も一括で消しておけば作業が楽になりますね。

エロ単語やスラングへの対応

わりと無視できない頻度で下品なスラングや隠語が紛れ込んできます。

Googleがどういう単語のライブラリを作っているのかはよくわかりませんが、おそらく本業の検索で集めた膨大な文字列からライブラリを作っているのでしょう。そのため真面目な単語だけでなくネット上に存在する多種多様な単語が変換結果に表れます。

これに関しては、よく出てくる単語をまとめて固有名詞の置換と同じ要領で置換してしまうようにしています。こっちで試した限りでは、セックス、フェラ、エロ、おまんこ、輪姦などがわりと頻出する気がしました。

また、変換時に「--filter-profanity」オプションを追加することである程度変換時に伏せ字に変換させることができるようです。fuck等が伏せられるようですが、日本語でどれくらい有効なのかは試していないのでわかりません。

 


もう少し録音に凝ってみた

適当なボイスレコーダーで適当に録音したところあまり良い結果にならなかったので、もう少し録音に凝ってみたところ、わりと変換精度の向上が見られました。

機材について

とりあえず以下の機種で試しています。

何回か試した限りでは指向性マイクであるDR-07で録ったのが最も誤変換が少ない気がします。

ボイスレコーダーだと人間の声の周波数帯域を強調する傾向があるので結果として元の音から歪んでしまい変換品質の低下につながっている傾向があるように思えます。結果としてリニアPCMレコーダーのほうが変換の品質がよいような気がします。(たまたまかもしれませんし、単に私の持ってるボイスレコーダーがへっぽこだからかもしれませんが)

Googleの変換コマンドは1GBまでしか食ってくれないので、長ーい会議の場合はたまに止めて分割するといいのですが、DR-05やDR-07には録音中に設定した容量になると分割してくれる機能がありますので、1GBか512MBで分割するよう設定しておくといいですね。(Googleクラウド基盤のほうが忙しいときは1GBですとエラーになる可能性が高かったので512MBがバランスが良さそうでした。)

※DR-07の後継機にWiFiなどの便利機能が付いたDR-22WLというのがあるのですが、容量で分割する機能がなくなってしまったようです。代わりに時間で分割する機能が付きましたが最大で60分。180分で分割できれば良かったんですが…。この機種、リーズナブルなのにWAVとMP3で同時に記録する素敵な機能が付いたのに残念…。

こういうの、「機械学習の素材録りに向いてますよ」みたいな売り方すると新しいニーズを掘り起こせるんではないかと思うんですよね。どうですかTASCAMさん。

指向性マイクと無指向性マイク

一見、無指向性マイクのほうが全方位の音を拾ってくれるので会議録音に向いてそう似思えたりもしますが、PAスピーカーの音を録るのであれば指向性モデルでスピーカーに向けて録ったほうがよさそうです。無指向性マイクですと、会議室の壁への反響もしっかり録ってしまって結果としてノイズになっている気がします。

最も重要なポイント

いろいろ試した結果変換精度向上に最も重要なのは「PA機器のLINE-OUT端子でレコーダーと直結して録る」ことで、PA機器にLINE-OUTが無いときは「PAスピーカーのすぐ前にレコーダーを置いて録る」で、会議室の真ん中にレコーダーを置いて録ったデータでは品質に限界がありました。

思うに、口から発せられる音は空気を伝わるうちに減衰しますが、Google機械学習の元データはおそらくスマホなどのマイクで録られた音声を元にしていて、数十センチ以内で録られているためほとんど減衰していません。会議室の真ん中に置いたレコーダーでは話者から数メートル離れてしまい、認識精度が著しく落ちてしまうのではないかと思いました。話者の口からレコーダーまで、「空気中を通る部分が1m以下」になるようにするのが良さそうです。

(それはそれとして、LINE-OUTで録る場合は、マイクでの発言しか録音されませんので、マイクをオンにし忘れた発言もちゃんと文字起こしする必要があるのであれば、あとで人間が確認する用に部屋の真ん中に置いて録った録音は予備としてあったほうがよさそうです)

その他録音について

1つのマイクで一人の話者がしゃべるのが最も理想的な環境と言えるでしょうから、それにできるだけ近づける努力をすることになります。

  • 録音レベルが十分かつオーバーしないようにする
  • 発言者ごとに音量をできるだけ合わせる工夫をする(大きな差があると欠落する率が上がる気がします)

その他細かいこと

変換結果のJSONファイルの内容について

{
"@type": "type.googleapis.com/google.cloud.speech.v1.LongRunningRecognizeResponse",
"results": [
{
"alternatives": [
{
"confidence": 0.88359386,
"transcript": "\u305d\u308c\u306e\u65b9\u306b\u884c\u304d\u307e\u305b\u3093\u304b29\u5e74\u5ea6\u7b2c1\u56de\u4ee5\u4e0a\u3067\u793e\u4f1a\u306b\u3092\u59cb\u3081\u305f"
}
]
},
{
"alternatives": [
{
"confidence": 0.6885556,
"transcript": "\u5343\u8449\u5e02\u30e9\u30a4\u30d6\u30ab\u30e1\u30e9"
}
]
},
{
"alternatives": [
{
"confidence": 0.6807716,
"transcript": "\u30d5\u30b8\u81ea\u8ee2\u8eca\u9e7f\u5150\u5cf6"
}
]
},

のように適当に分割されて並びます。confidenceが信頼度で、1に近いほど結果に自信がある(正確とは限らない)。transcriptが変換された文章です。日本語はそのままでは読めないのでデコードしないとイケません。

よく使うコマンドについて

gcloud ml speech recognize-long-running (オプションやファイル名)
長いファイルの音声認識を実行。
gcloud ml speech operations describe (ID)
音声認識ジョブの現在の進行状況やその他情報を表示(ジョブが実行中の場合)。または認識結果を返す(ジョブが完了済みの場合)。
gcloud ml speech operations wait (ID)
音声認識ジョブの終了を待って、終了し次第認識結果を返す。※30分程度でタイムアウトする。
dl (ファイル名)
指定したファイルをブラウザでダウンロード
jq (オプションいろいろ)
Googleクラウドプラットフォームとは直接関係ありませんが、jsonファイルを成形したり特定の内容を取り出したりするコマンド。 
sed (オプションいろいろ)
こちらもGoogleクラウドプラットフォームとは直接関係ありませんが、テキストファイルを加工するのに使います。
jqとsedを組み合わせて、
$ cat (jsonファイル名) | jq -r '.results.alternatives.transcript' | sed -e 's/$/\r/g' > (出力ファイル名) 
のようにして、変換結果から文章だけ抜き出しつつデコードして改行コードも変換してエディタで扱いやすくしています。

詳しくはリファレンスを見ましょう。

https://cloud.google.com/sdk/gcloud/reference/ml/speech/recognize-long-running?hl=ja

https://cloud.google.com/sdk/gcloud/reference/ml/speech/operations/?hl=ja

課金について

「60分以上、15秒ごとに0.006USD」とありますので、最初の1時間は無視するとして、1時間あたり170円程度となります。

 


今後確認したい内容

  • ml speechコマンドにもベータコマンドとアルファコマンドがあるようだが、これらはどういう位置づけになるのか?。(今の正式コマンドになる前のバージョンのコマンドなのか、次期マイルストーンを先取りした、正式コマンドより新しいバージョンなのか。後者なら正式コマンドより変換品質が上がる場合があるのか。)
    →betaでもオプションが同じなら変換精度は同じように見えます。
  • alpha版にはダイアライゼーション機能(話者ごとにIDを振る機能)があるので、将来的には議事録における「誰の発言か」の識別がしやすくなるかも。
  • 会議前後の雑談タイムの有無で変換品質に差は出るのか(前後をカットする意味はあるのか)→なさそう。
  • GoogleのSpeech to Text API機械学習のデータセットGoogleが用意したものなので、かなり汎用的なデータセットになっているはずで、会議のような特定用途向けに変換精度を上げるのには限度がありそうです。Googleのサービスは自前のデータセットは使えないようなので(たぶん)、この辺をなんとかするにはAzureの似たようなサービスを使うといいのかも?(仮)

エラーについて

recognize-long-runningコマンドを実行する際にエラーが出るときがあります。

大体英語で何かしら出てくるので、読めば原因もだいたい判るとは思いますが、いくつか挙げておきます。

INVALID_ARGUMENT: Async input too long. Maximum input audio length is 3 h.

音声ファイルの時間が長すぎ(3時間超え)。

適当な波形編集ソフトで分割しましょう。

フリーソフトだと https://www.audacityteam.org/ とか?。

レコーダーの設定で自動分割にしている場合は短めにすると良いでしょう。WAV 16bit 44.1kHz モノラルで1GB分割にしていると、1ファイルあたり3時間をちょっとだけ超えてしまいます。

RESOURCE_EXHAUSTED: Resource has been exhausted (e.g. check quota).

リソースの上限を超えた要求をしたときに出ます。主に同時にいくつも発行したりしたときに出る気がしますが、自分のアカウントだけではなく、他のユーザーの処理も含んでいるのか、時間を変えれば全く同じファイルを同じオプションで実行していても出るときと出ないときがあります。

単独で実行している場合であっても音声ファイルが長い時にも出るようです。これは上限の3時間を超えていなくても状況によっては出る時があります。ファイルをいくつかに分割して短くすると通ったりします。

Dropboxがちゃんと動かなくなったので四苦八苦して直した話

Adobe Creative Cloudの2019版がでたので入れてみたところいろいろと不安定で、ああでもないこうでもないと試行錯誤しているうちにDropboxもおかしくなりました。まあCreative Cloudのせいではなく、たまたまの可能性も高そうですが。

具体的には

・一応同期はするが、タスクトレイのアイコンを開くと固まる

という症状。

f:id:youichirou:20181024035553p:plain
(いわゆるこの画面です)

Dropboxフォルダに保存したファイルをここから呼び出せる機能を重宝しているので、これは不便。

やってみたこと

Dropboxクライアントを上書きでインストールし直せば直るか?

→ダメでした

インストール中に「インストールに失敗しました」とダイアログが出るが一応インストール正常終了の表示は出るものの、やはりタスクトレイのアイコンをクリックすると固まる。

ならば、Dropboxクライアントをアンインストールしてからインストールし直せば?

→アンインストールの途中で同様に「インストールに失敗しました」と出る。そしてインストールし直してもやっぱり出る。で、一応は正常完了するものの、今度は初回のDropboxアカウントを入力する画面で固まる。さっきまで一応同期はしてたのに状況が悪化した。

古いバージョンのDropboxが残したゴミが悪さをしているのでは?

Dropboxのサポートで調べても、ほかのユーザーさんで出てくるエラー画面と違うようです。で、

高度な再インストールの実行方法 – Dropbox Help

の通り、設定ファイル等を削除したりして丁寧にアンインストールしてからインストールし直しても同様。

ちなみに、なぜかCreative Cloudがファイルを掴んでいて消せないゴミファイルがありました。なんでや。そこCreative Cloudの同期フォルダと関係ないやろ!。もちろんそのファイルを消してもダメ。

さあ、どうするか。

今回功を奏した対応

上記の試行錯誤の中で、Dropboxをアンインストールして再起動した後もなぜかDropboxのサービスが実行され続けているのに気づく。悪さをしているのはこいつでは?さっきから「インストールに失敗しました」と何度も出てくるのは居座っているこいつを削除しようとして失敗しているのでは?

f:id:youichirou:20181024041059p:plain

ということで、DbxSvcサービスを停止し、

コマンドプロンプトを管理者として実行して、

>sc delete DbxSvc

を実行してサービスを削除して、

サービスのプログラムである

C:\WINDOWS\system32\DbxSvc.exe

を削除の後、再起動してインストールし直したところ、初期設定でもタスクトレイのウインドウ固まらなくなって正常に動くようになりました。

よかったよかった。

RAV Vast(RAV Drum)を買ってみた記録 (あるいは RAV Vastファンページ)

「ハンドパン(あるいはハングドラム)」という楽器があるのですが、ひょんなことから欲しくなってしまいまして、いろいろ検討した結果「RAV Vast(RAV Drum)」というのを買いました。

日本ではマイナーな楽器なので、収集した情報をまとめてみました。

 

更新情報・最近のRAV Vastの動向について

  • 現在本家でブラックフライデーセール中。RAV Vast、RAV Panが20%オフ。29日まで。
  • 新しいスケール F Astronaut が追加されています(2021/9)
  • 最近更新できていませんでしたが、いろいろとスケールが増えています。(2021/4)
  • 本家ravvast.comにて、11月20日から27日(米国東部標準時基準)までブラックフライデーセールが行われています。全スケール20%オフ。(厳密には日本時間11月28日13:59 まで)
  • ハロウィンセールでRAV Vastが120ドルオフ。RAV Panが250ドルオフのクーポンを発行されているようです。10月26日の正午までです。
  • 期間限定で全RAV Vastが15%オフ。RAV Panが300$オフになっています。4月30日まで→5月15日まで伸びたようです。→なんかまだやってる模様?(5/16現在)
  • 期間限定でゴールド仕様のRAV Vastが注文できるようです。昨年何かのキャンペーンでプレゼントしていた一品モノでしたが、要望が多かったのでしょうか。6スケールが対応しています。(2020/3)
  • 目を離している間に F# In Senスケールが追加されていました。和の雰囲気がある音階です(琴や三味線で使われるとか)。10音。(2020/2)
  • 公式サイトにバーチャルプレイヤー https://ravvast.com/virtualplayer/ が追加されました。これでスケールの比較がしやすくなりますね。ウチの「シミュレーターもどき」はお役御免です(笑) (2020/2)
  • G Humaynスケールが追加されました。中東方面のイメージ? (2020/1)
  • 「弾き方」のコーナーで紹介している Master the HandpanのRAVコースが公開されました。少しお得になるクーポンコードがあるので「弾き方」のコーナーからご確認ください。(2019/10)
  • RAV Pan(ハンドパンの方)にB Celtic minorD Celtic minorD Major増えました。新型にはF Pygmyにあった裏面のノートが無くなり、代わりにGu(裏の穴)にHeatbeatsという伸縮する機構が付いていて、伸ばすと音が変化します。構成音はRAV Vastの同じ名前のスケールと一緒です。(2019/9)
  • A Marmaraスケールが正式に販売開始されたようです(2019/7)
  • 過去のスケールの復刻アンケートで上位のものが復刻されるそうです。B Onoleo (一番人気)、G Minor Pentatonic、C Golden Gate、B Golden Arcadia、B Major。既に予約も可能とのこと(2019/5)。
  • 試しにシンプルなB Celtic MinorG Pygmyのシミュレーターもどきを作ってみました。なんとなく雰囲気を知ってみたい方へ。 (2019/5)
  • 4月後半くらいにA Marmaraというスケールが追加されたようなのですが、まだ公式ショップには載っていませんね。SNSとかで手に入れている人を見かけるので、チャットで聞いてみると答えてもらえるかもしれません。→https://www.youtube.com/watch?v=O5NEEnOlwPg (2019/5)
  • 3月くらいにRAV Vastがマイナーチェンジしてリムが真鍮になったようです。注文の際はチャットでどっちのリムが来るのか確認すると良いかもしれませんね。(2019/4)
  • 「RAV Vast公式ストアの支払い方法」「RAV Vastを使っている日本のミュージシャンの皆さん」等の項目を追加しました(2019/2)
  • 公式サイトのショップに新商品が追加されました。
    オフィシャルのマレット、ソフトカバーの新色(水色とベージュ)、ウッドスタンド等。(2019/2)
  • 2019年になって、全体的に値上げが実施されてしまいました。(2019/1)
  • 新しいスケール「Arabian Night」が発売されました。(2019/1)
  • 新たに「RAV Pan」がリリースされました。これはRAVブランドによるハンドパンで、RAV Vastのようなタンドラムではなく、Hangの流れを汲む狭義のハンドパンになります。
    もともとRAV Vastは創業者がハンドパンが高価だから自分で作った、みたいなのが起源とのことで、自らのブランドでハンドパンを作るのは悲願だったのかもしれません。今だけ1400ドル。通常価格は1900ドルだそうです。(2019/1)

 

 

目次:

 

念のため

ブログ主は音楽理論などからっきしなので、以下の内容には正確でない内容が含まれる可能性がありますのでご注意ください。
また、私がRAV Vastを購入した2018年6月段階の内容となりますので、時間が経てば状況が変わっている可能性があります。気が向いたら追記していきますが内容は未保証です。

 ※あと、「買ったよ!」とか「参考になったよ!」とか、コメントで残していただけますとブログ主が喜びます。

その他ご意見ご感想あれば記事にコメントいただくか https://twitter.com/youichirou までお願いします。

 

RAV Vastについて

ロシアの工房 RAV Lab’s で作られているスティールタンドラムという楽器の一種。「ハンドパンが欲しくなった」で始めておきながら厳密にはハンドパンではありません。

ティールタンドラムとは、鉄製(=スティール)の筐体に舌(=タン)のような形の切れ込みを入れて、それを手で叩くことで音を出す楽器です。タンの大きさと形で音程や音色が決まります。

RAV Vastはハート型の複雑な切れ込みがあり、それによる深い独特の音が魅力です。 

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こういうやつです。(公式サイトより)

こういう音がします。

www.youtube.com

基本的には本体にある切り込みを指で叩いて音を出しますが、切り込み以外の胴体を手で叩いたり、こすったり引っかいたりしていろんな音を出すことができます。

 

公式Facebookページ: 

https://www.facebook.com/ravdrum/


公式YouTubeチャンネル: 

などで公式の演奏動画を見ることができます。

 

日本でのRAV Vast情報

Twitterで世界のいろいろな打楽器を紹介されているサカンさんが時々RAV Vastについてもツイートされています。

RAV Vastの公式アフィリエイトをされているそうで、よく割引キャンペーン情報も掲載されていますので購入を考えている方は要フォロー。

世界楽器てみる屋さんのRAV Vastページ

RAV Vastについて、とスケール(後述)の解説があります。

http://gakki.temiruya.com/archives/2017/01/post_338.html

注文もできますが全部1ヶ月待ち。

 アトリエマルさんの解説ページ

Rav Drum – ロシアの楽器革命 <Part 1> | 丸いブログ

 

RAV Vastの種類(スケール)

鳴らせる音の音階(スケール)でいくつか種類があります。

RAV Vastは叩くところが9カ所(モノによっては+1カ所)で、それぞれに音程が割り振られます。この音の組み合わせがRAV Vastのスケールになります。

2019年7月現在、公式サイトに載っているのは以下のスケール。

・B RUS (RAV Universal Scale)
(B2) D3 F#3 A3 C#4 D4 E4 F#4 A4

・D Major (いわゆるSabyeスケール)
(D3) G3 A3 B3 C#4 D4 E4 F#4 A4

・A Integral
(A2) C3 E3 F3 G3 A3 B3 C4 E4

B Celtic minor
(B2) F#3 A3 B3 C#4 D4 E4 F#4 A4

・B Celtic Double Ding
(A2) (B2) F#3 A3 B3 C#4 D4 E4 F#4 A4 (10音)

・D Celtic minor
(D3) A3 C4 D4 E4 F4 G4 A4 C5

・B Kurd
(B2) F#3 G3 A3 B3 C#4 D4 E4 F#4 A4 (10音)

G Pygmy
(G2) C3 D3 D#3 G3 A#3 C4 D4 F4

・E Low Pygmy
(E2) A2 B2 C3 E3 G3 A3 B3 D4

2018年末に、新しいスケールの B Arabian Night が新発売になりました。あと、B OnoleoとG Minor Pentatonic等がたぶん数量限定で復活しています。

・B Arabian Night
(B2) F#3 G3 A#3 B3 C#4 D4 F4 F#4

・B Onoleo
(B2) F#3 G3 B3 D#4 E4 F#4 G4 B4

・G Minor Pentatonic
(G2) D3 F3 G3 A#3 C4 D4 F4 G4

・B Golden Arcadia
(B2) D#3 F#3 А#3 B3 C#4 F4 F#4 G#4

・C Golden Gate
(C3) E3, G3, B3, C4, D4, F#4, G4, B4

・A Marmara
(A2) C#3 E3 G#3 A3 C#4 D#4 E4 G#4

・F# In Sen
(F#3) G3, B3, C#4, E4, F#4, G4, B4, C#5, E5 (10音)

・RAV Pan F Pygmy(タンドラムではなく、ハンドパン)
(F3) G3 G#3 C4 D#4 F4 G4 G#4 C5 (C#3 D#3)

※昔は上記以外のスケールもあったようです。

 

Celtic~はケルト音楽のスケールを元にしているようで北欧っぽい雰囲気があります。同様にKurdは中東の方の民族音楽のスケール、Pygmyはアフリカの方の民族音楽のスケール…ということになるのでしょうか。いわゆるハンドパンでもよく使われるスケールで、確かな命名の由来はわかりませんがそれぞれ違った雰囲気があります。

以下にそれぞれのスケールで鳴る音をチャートにしてみました。

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※○を付けた音が「Ding」(中央の基本となる低音)


音の分布を見ますと、D Celticが最も高音寄り、E Low Pygmyが名前の通り最も低音寄りです。

RAV Vastは基本的に8面+天面で9面あってそれぞれの面に1音ずつ、計9音あります。

チャートで「(10)」と書いてあるスケールは10音のモデルです。面数は他と同じ9面なのですが一つの面だけ2つの音が付いています。B KurdとB Celtic Double Ding、F# In Senがそれにあたります。1音多い分表現力が広くなるのでしょうが、その分中上級者向けかも。

10音あるB Celtic Double DingはB Celtic Minorをベースに低い方に1音追加されています。「基本になる低音(Ding)」が2つあるのでDouble Dingという名前になっているようです。B Kurdは同じくB Celtic MinorをベースにG3が追加されていて、どちらも他の音はB Celtic Minorと同じです。

その他、A3 C#4 D4 E4 F#4 A4は共通しているスケールが多いです。

 

他のハンドパンやスティールタンドラムのスケールではakebonoという和風のスケールもあるのですが、RAV Vastにはありません。日本のユーザーが増えたらakebonoも作ってくれるかもしれませんね。
ついに和風のスケール F# In Senが追加されました!

スケールの選び方

正直なところ、試奏する機会も限られますし、演奏している動画などを参考にフィーリングで選ぶしかないでしょう。

候補のスケールの名前を付けて「RAV Vast G Pygmy」などで検索すれば実際の演奏や奏者のコメントなどを聞くことができます。しかし英語ばっかりで日本語情報は少ないですね…。

公式サイトによれば D Majorが「初心者向け」とあります。メジャーコードになる組み合わせが多く明るい雰囲気の和音を出せて、洋楽でよく使われる音階だそうなので他の楽器と合わせやすいかもしれません。試しに触ってみた限りでは、「適当に叩いてもそれっぽく聞こえる度」はD Majorが一番高い気がするので、初心者の人はやはりこれにしておくのが無難かもしれません。

私の保有している B Celtic Minor は、良く言えば落ち着いた感じで、悪く言えば地味です。…が、買ってから気がついたのですが、パイレーツ・オブ・カリビアンのテーマ冒頭の音階となぜかだいたい合っていたので、パイレーツ・オブ・カリビアンを弾きたい人はB Celtic Minorにしましょう(笑) 。このように弾きたい曲の音があるかで考えるのも良いですね。(まあ、目当ての曲が弾けるかどうかなんてのは弾いてみないとわからないです正直。)

Integralは和音の組み合わせが難しいとかなんとか。

B Celtic Minor Double DingやB KurdはB Celtic Minorの音を含むので、B Celtic Minorと同じ曲を演奏できることになります。1音多い分表現が広くなるわけですが、タンの配置が点対称でなくなりますので、若干演奏が難しくなるかもしれません。慣れかとは思いますが。

 

また、以下の公式ビデオや奏者の方のビデオでスケールごとの比較を挙げておられるので、聞き比べると良いかも。(ただ、プロの演奏なのでそれぞれのスケールの魅力を引き出した演奏をされるため、実際に叩いてみるとアレッ?となる場合もあるかも知れません。私はなりましたw)

www.youtube.com

※今はもう入手できないスケールも紹介されているのでその辺は参考までに。あと、同じスケール名でも頭の文字が違うと別物なのでご注意を(D Celtic MinorとB Celtic Minorなど)。自分が考えているスケールと頭の文字が合ってるか注意。

 

RAV Lab'sの方でも、各国で試奏できる機会を増やしていきたいと考えているようで、販売代理店を紹介したりされています。

また、前述のサカン氏がたまに「ハンドパンで遊ぶ会」というイベントを催されています。ハンドパンだけでなくRAV Vastも叩かせてもらえることもあるようなので、サカン氏のtwitterで開催情報をチェックして、首都圏にお住まいの方は参加されてみては。

名古屋や京都でも別の方がたまに開催されています。 

後述の「ジャパン・ハンドパン・オーナーズ・クラブ」Facebookグループ等で告知されることが多いようなので興味がある方はまずはグループに加入しておきましょう。

 

私のB Celtic MinorとG Pygmyでよければ、滋賀県まで来ていただければ触っていただくこともできますので近畿で興味のある方は https://twitter.com/youichirou までご連絡ください。

RAV Vast Community(Facebook)に掲載されたDavid Duan氏による選び方解説

Facebookグループに掲載されていた「How to Choose a RAV Scale」というドキュメントより抜粋転載させていただきますと、

ムード

ハッピー:Major
バランス:Celtic、Kurd、RUS
ミステリアス:Pygmy、Minor Pentatonic
秘儀的:Integral、Onoleo

文化

アフリカ:Pygmy
アラビア:Kurd、Onoleo
アジア:Minor Pentatonic
北欧:Celtic
ネイティブアメリカン:Integral
西洋:Major、RUS

難易度

簡単:Pigmy(E Lowでないほう)、RUS、D Major、B Celtic Minor(Double Dingでないほう)
中間:B Celtic Double Ding, Kurd, E Low Pygmy
高度:Integral、Onoleo

…とのことです。
現在販売されているスケールのみ抜粋していますので、全文(英語)は後述のFacebookグループのTonguepan Communityに加入してご覧ください。もっといろいろ書いてあります。

あと、こういうスケールごとのコード図もあるので、人によっては参考になるかも。

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スケールの組み合わせ

デュオで弾く時や、2台で弾く時などの相性のよい組み合わせを公式Facebookで挙げておられます。

www.facebook.com

1台で全てをカバーするのは難しいと思うので、個性が違うのを2台持つのがベターなのでしょうが、なかなか2台は…。お金が…。 

 

弾き方(叩き方?)

いわゆるハンドパンと違ってタンドラムはタンを叩けばまあ音が出るので敷居は低いですが、一応いろんな叩き方があります。

www.youtube.com

 

世界のRAV Vast奏者さんがチュートリアル動画をいろんなところで公開されています。ただし英語です。考えるな、感じるんだ。

短めのパターンを紹介するチュートリアルが多いのですが、シンプルなやつでいいので長目の演奏での組立て方を教えてくれるのがもっとあるといいなぁと思います。

RAV Vastオフィシャルチャンネルのチュートリアル

www.youtube.com

Kay Rauber氏のチュートリアル(上記の続き)

www.youtube.com

Ricky Hillson氏のチュートリアル

www.youtube.com

 RAV Vastではないですが、ここらも参考になります。

www.youtube.com

Master the Handpanの有料レッスン

ハンドパンのレッスン動画を販売しているサイトですが、RAV Vastコースも2019年10月に公開されました。サンプルのレッスンも視聴できます。149ドルでちょっと勇気がいります。

購入してみましたが、かなり基本的なところから、初心者卒業…?…くらいのレベルをこってりやってくれる感じです。5~10分くらいのレッスンがウォームアップの練習を含めてだいたい60くらいあります。物足りない場合は別のハンドパンの中級クラスあたりも十分初心者が参考にできるレベルのように感じました。ただし英語ですので何を言ってるのかわかりませんが演奏しながらですし、音符(?)も表示されますのでまあ問題にはならないでしょう。

 「特に音楽をやってきたわけでもないのに音に惹かれて勢いで買ったけどよくわからない」…といったような人はRAV本体代8万円が10万円になっても誤差といえましょう(笑) 物置の重りにするくらいなら一度やってみる価値はあると思います。

また、ユーザー登録するだけで無料のお試しレッスン動画を見れますので興味があればまず見てみましょう。

これでどうにもならなかったら対人レッスンを考えるくらいでいいのではないでしょうか。

※以下のリンクから開いて「FRIENDS30OFF」のクーポンコードで30ドルオフになります。

masterthehandpan.teachable.com



買い方

ロシアの公式サイト

公式サイトにストアがあるのでそちらから注文するのが一番安価に手に入りそうです。ロシアですが英語は通ります。
2018年は650ドルからでしたが、2019年から値上がりして730ドルからに。

送料はEMSで100ドル強。届くまで1~2ヶ月かかります。

RAV Vast tongue drum. Handpan alternative with rich sound. Easy-to-play drum

 

日本の楽器店サイト

日本で輸入している楽器店があるのでそちらで買うのもよいでしょう。こちらは輸入代行の費用がかかりますから10~12万円くらいになります。日本語で買えるでしょうしメンテナンスの相談などしやすいメリットがあるのでは。

アトリエマルさんのサイトのRAV Vastコーナー

民族楽器コイズミさんのサイトのパーカッションコーナー

http://koizumigakki.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=911356&csid=13

その他

もしくはAmazon Japanやヤフオク、メルカリでも売りに出ていることがあります。が、大概は在庫切れです。 

公式サイトでの注文

とりあえず買うだけなら、公式サイトのStoreコーナーで商品をカートに入れて、フォームに必要事項を入力してクレジットカードかPayPalで決済すれば注文が可能です。

(2021/4)ちょっと情報が古くなった感があるので、以下のくだりは一旦消しておきます。

基本はショッピングカートで、季節ごとにたまに自動的な割引がかかります。

…が、前述のサカンさんのtwitterからストアを開いて、サイト画面右下のチャットから担当者にプロモコードを伝えることで割引してもらえるそうです。

 

この場合は、注文はチャットでやりとりを行う必要があり、ウェブサイト上のフォームは使いません。ロシア企業ですが英語が使えますので学生時代を思い出して頑張りましょう。

私の場合は、英語で以下のようなやりとりを乏しい英語力とGoogle翻訳の力で頑張って行いました(便利な時代になりました)。最近は日本企業が開発した翻訳エンジンもあります。以下のやりとりを参考に日本語を翻訳してチャットにコピペすることでなんとかなります。コツとしては翻訳した英語文を再度日本語に翻訳し直して意味が通っているようなら多分大丈夫です。変な日本語文になったらさらに平易な表現にするなどして調整してみてください。

ロシア時間と日本時間では6時間ほど時差があるので、時間帯によっては返事がすぐには来ないかもしれません。日本だと0時の時モスクワでは18時なので、ビジネスタイムとしては日本の14時から0時くらいの間がやりとりしやすそうです。

  • 【私】こんにちは。https://twitter.com/wyrm06 でここを紹介してもらってやってきたよ。プロモコード「SAKAN」を聞いたんだけど使えるかな。
  • 【Eugenia】ありがとう。そのプロモコードはチャットでだけ使えます。RAV Vastの注文をご希望ですか?
  • 【私】はい。お願いします。
  • 【Eugenia】それでは、発送先住所、注文したいRAV VASTのスケール、バッグの要不要、支払い方法、をこのチャットで教えてください
  • 【私】住所はほげほげ、商品は B Celtic Minor、バッグもほしいです。クレジットカードでよろ。
  • 【Eugenia】支払いのメールを送るのでメールアドレスを教えてください
  • 【私】~~@~~です。
  • 【Eugenia】ありがとう。しばらくしたら支払いのメールが届くので、そこから支払ってください。総額XXXUSDになります。
  • 【私】OK。
  • (メールが来たのでカードで支払い手続き)
  • 【私】支払いできましたよ。
  • 【Eugenia】早速ありがとう。確認します。…確認しました。ご購入ありがとうございました。後日発送できましたらトラッキング番号などをお知らせしますね。
  • 【私】よろしくー。

 ※2018年6月時点の話なので、時期が変われば変更もあるかもしれませんのでご注意ください。

また、普通はバッグと一緒に注文することが多いと思いますが、フォームからの注文ですと、本体とバッグ両方に送料が載ってしまうように見えます。英語のハードルがあるかもしれませんがやはり原則としてチャットでの注文がおすすめ。

※最近はショッピングカートシステムも新しくなって、荷物の体積で送料が変わるようです。クーポンもフォームに入力するスタイルのようです。

 

また、2ヶ月に1度くらいたまに70~80ドルくらい安くなるセールをやっていますので、急がない人はそれを待つのも良いでしょう。

公式サイトからの配送

私の場合、「4週間から8週間かかるよ」と案内されましたが、実際は6月7日に注文してから12日後に発送され、そこから8日で届きました。結果として3週間で届いたわけですがこれは在庫や注文状況などによると思われます。あと、受け取り時に追加で消費税を3400円請求されました。

しかしまあ、ロシアから日本まで直線距離でも8000kmですので、スケールが違いますね。

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こんな風に届きます。邪悪なマカロン!!

最近はダンボールで来るようで邪悪なマカロンではなくなってしまいました。残念?(2019中旬頃~)

 

 

発送されるとEMSの追跡番号がメールで届きますので経過を見ることができるようになります。そのときの経過はこのような感じでした。

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※6月26日に「税関から名宛て人に照会中」となっていますが、電話がかかってくるわけでもなかったのでこちらから税関に電話して聞いてみたところ「荷主の添付書類不備で品物の金額がわからず消費税の税額を確定できないのであなたに問い合わせを郵送で送りました」とのことでした。「証明できるものをFAXで送ってもらえばすぐに配送できますよ」とのことだったので、メールで来ていたINVOICEを印刷して送ったら配送が開始されました。これを放っておいたら郵送の分余計に何日かかかっていたところでした。1日でも早く手に入れたい方はワクテカしながら毎日追跡をチェックするといいと思います(笑)

ちなみに届いた時に付いてた書類を見たところ、金額は書いていたのですが複写でかなりかすれていて非常に判別がしづらかったです。

 

また、今回は国内の配送が始まった段階で郵便局に電話して、局留めの窓口受け取りにしてもらいました。

RAV Vast公式ストアの支払い方法

クレジットカードまたはPayPalでの支払いになります。

サイト上ではUSドル表記ですが、クレジットの明細を見るとロシアルーブル建てで決済されてました。なので最終的に引き落とされる額はUSドルとは異なってくるかもしれません。

 

また、公式ストアは基本的には一括支払いなのですが、「Part Payment Plan」という支払い方があって、これは「総額を何分割かして、好きなタイミングで支払って、総額を払い終えたら発送される」というものです。

日本で一般的な分割払いとは違うので「何のための分割やねん…」という感じもしますが、「セールがあとX日だけどどうしてもカネがない!。でもこの値段で買いたい!!」という時にPart Paymentで支払うことで、その値段で一旦売約してもらった上で後でゆっくりお金を用意できる、みたいな目的のようです。

使うことはあまりないとは思いますが、使うときはチャットから。

日本でいうところの分割払いをしたいときは、一旦決済をしてクレジットカード会社と相談することになるでしょう。「あとからリボ」とかそういうのが何かしらあると思います。

 

ケースについて

金属の楽器なので、運搬中などにぶつけますと変形して音が狂ってしまうこともあるでしょう。

一応公式ストアでキャリングバッグを注文できますが(40ドル弱)、これは簡易的なクッションが付いているものなので、心配な方はハンドパン用またはシンバル用のハードケースを使われるようです。

Hardcase Technology (EVATEK)

→の日本のサイト(在庫は少なそう)

Eco-Friendly Handpan Bag : Fiber Composite Hardcase : Panji Bags

Namaha Music Bag Store

どれも海外のメーカーですが、個人輸入は可能だと思います。

EVATEKのHCT社が日本のサイトを作られたようで、ここで頼むのが一番簡単そうですが、あんまり在庫は潤沢ではなさそうです。なお、RAV VASTにはEVATEKのMサイズがちょうどいいようです。

 

日本の楽器店ではこちらでちょっとだけ扱っておられます。在庫はないことが多いようです。

ragam-store.com

ハンドパン専門ショップのハードケースコーナー。RAV Vastは扱っておられないようですがサイズが合えば使えるでしょう。

hang-drum.info

以下でハンドパン向けのケースの紹介があります。EVATEK推しの模様(リンク切れ中)

www.osamuhandpan.com

 

お手入れ

RAV Vastは鉄なので錆びないよう多少のお手入れが必要です。

調べますとだいたいはハンドパンと同じお手入れになり、金属楽器用オイル、銃器用オイル、椿油などを使う方を見かけます。ハンドパン用オイルとして開発されたPhoenixオイルなるものもある模様。不乾性油であればだいたい何でもいいみたいですが。

研磨剤が入ってるようなオイルやウエスはよくないでしょうね。

あと、金属工具用の防錆紙をケースに一緒に入れておくと錆を防いでくれるようです。(Amazonで買えます)

公式のお手入れ方法ビデオ。英語。
これによると、FrogLube Extreme CLPがオススメとのこと。しかしめっちゃ高い!

私は、手で触れるものなので機械油だとちょっと気になったため、以下の刃物用の100%椿油を調達してみました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00HU02L96


あと適当な楽器用のクロスと防錆紙。フェルナンデスのクロスは安くていいですね。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01B4CQPME

https://www.amazon.co.jp/dp/B003C2UPSU

 

前述のPhoenixオイル。高い。

https://www.amazon.co.jp/dp/B077MBJYML

動画のFrogLube Extreme CLP。高い

https://www.amazon.co.jp/dp/B00579HNK4

 

具体的なメンテナンスについて

RAV Drum本家のメールによると、

  • ケースに入れっぱなしにすると湿気が篭もって錆びの原因になる
  • 演奏するときは手を綺麗にするのが基本
  • FlogLubeがおすすめだが、Phoenixもよい、またはワセリン
  • オイリングは月に1~2回程度の頻度で
  • アルコールで拭くのは実際に錆が発生したときだけにする(普段はオイルのみ)

 

RAV Vastのコミュニティ

FacebookにRAV Vast専門のユーザーコミュニティがあります。(…が、最近「タンドラム全般」に変わってしまいました)。日本人向けではないので英語です。

一般ユーザーの演奏ムービーや使い方のTIPS、先に挙げたスケールの選び方などの各種資料がアップされています。

日本人コミュニティもできるくらい普及するといいですね。

 

RAV Drumコミュニティではありませんが、同じくFacebookに「ジャパン・ハンドパン・オーナーズ・クラブ」というハンドパン全般のグループがあり、RAV派の人もいます。 

https://www.facebook.com/groups/1889327327947431/

 

RAV Vastを使っているミュージシャンの皆さん

演奏の参考になるかも。

あまり探せてないのでおすすめのミュージシャンの方がおられましたらご紹介ください。

日本のミュージシャン

海外のミュージシャンでなんとなく好きな人ら

RAV Vast公式チャンネル常連が多いですけども。

その他

Q: RAV Vast1と2があるみたいだけど何が違うの?

→ 筐体の金属板の厚みが1.5mmなのが1で、2mmなのが2です。RAV1やRAV2と表記されるときもあります。

うちにある1のG Pygmyと2のB Celtic Minorを叩き比べてみますと、1のほうが薄い分長く響き続けるように思います。一方2のほうは分厚い分強く叩いたときに大きな音が出せる感じがします。1のほうが響きに揺らぎがあって有機的な印象で、2のほうが安定していて金属的なイメージがあります。個人的には1の響き方のほうが好みかな。

金属を叩いた音を使う楽器なわけなので、素材の厚みで音の傾向が変わるんですね。
厚みの数字であってバージョンではありませんし、どちらが高級とかそういうのではなく、同じスケールで1と2があるわけではないので、スケールごとの個性の一つと考えて、1とか2の数字そのものは気にしなくていいと思います。

Q: アンプ等に繋ぐ方法はあるの?

AKG C411 PPというマイクを使って録音などをしている人がいるそうです。XLR端子がついています。

www.youtube.com

 

→MSPなるアコースティック楽器用ピックアップを使った例があるようです。

www.123music.jp

 

Q: Youtubeでいろいろなチュートリアルビデオ見たけど、演者さんがこっち向いてるのが多くて、左右逆になって混乱するんだけど?

VLCというプレイヤーを使うと映像を回転させられるのでマシになるかもしれません。

  • VLC Media Playerhttps://www.videolan.org/)をダウンロードしてインストールします。
  • VLCのメニューから、メディア→ネットワークストリームを開く→(YouTubeのURLを入力)…でYouTubeビデオを開く
  • 同じくメニューから、ツール→エフェクトとフィルター を開き、ビデオエフェクト→ジオメトリ に切り替える
  • 「変換」にチェックを入れて「180度回転」
  • または、「回転」にチェックを入れ、いい感じになるようアングルを調整する

f:id:youichirou:20180811143309j:plain

Q: 公式のバッグに付いてる謎のフラップは何に使うの?

→公式のバッグはハードケースではなくクッションが付いたソフトバッグになっており、演奏中は座布団として使うのを想定しているそうです。

輸送中にバッグに付いたホコリや汚れの上に座ると気持ちが悪い人のために、ぺろんとめくって使うようにしてある、とのことです。

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Q: スタンドは何を使えばいい?

普通はあぐらをかいた上に乗せますが、椅子に座る場合はスネアドラム用のスタンドを使っている人が多いようです。

立って演奏する場合は「マーチング用」だと高く持ち上げられるのでよいとか。(Sonor 4000 Marching Snare Stand等)

ハンドパンオーナーの方には「Pearl パール 立奏用スネアスタンド S-710」を使ってる、という方を見かけました。

https://www.amazon.co.jp/dp/B06WWQ5619

Q: 思ったように音が出ない/叩けない

タンを叩く場所によって出る音が違うのと、そこそこの力で叩かないといい音が出ません。最終的に慣れかと思いますが、ティンパニとかで使うマレットを使うと簡単にいい音が出せます。こいつでまずちゃんと音が出せたときの音を覚えるとよいかも知れません。

そもそも「音楽をやったことがないけどRAVの音色に魅了されて勢いで買った」というような人(私とか)は思ったように手が動かないんですよ。叩こうとしても手が着いてこないのです。でも、マレットがあると手首の返しでスピーディに叩けますから、まずはマレットでスケールに慣れるのも良いかもしれません。

 

硬さは柔らかめくらいのが良さそうです。硬めのほうは「カーン!」という音になってしまってイマイチでした。

これとか買ってみましたが、標準と硬めが付いていますが、標準でもちょっと硬い…。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01DEYFTSQ

安いタンドラム用とかありましたが、良し悪しはちょっとよくわかりません。誰か試してください(笑)

https://www.amazon.co.jp/dp/B07P7K99W4

2019年から公式にRAV Vast Malletが発売されました。29ドルです。

買ってみましたが硬さもちょうど良く、ゴム1種類とフェルト2種類とで計3種類付いてますので素材の差も楽しめておすすめです。本体と一緒に買うと送料も節約できて良いですね。

 

Q:写真や動画を見てると見た目にいくつもバリエーションがあるように見えるんだけど?

わりと頻繁にマイナーチェンジをされているようです。

プロトタイプを含めるといくつもバリエーションがあるようですね。以下のバージョンを見かけました。勝手に番号を振りますと、

  1. 最初期のプロトタイプ。溝があって一つ音が少ない8ノート。タンの形も音色も今とは異なります。縁が金属製です。 https://www.youtube.com/watch?v=ozqt2s_Vp6o
  2. 今の見た目に近くなった8ノート。縁がゴムになりました。 https://www.youtube.com/watch?v=VCEv-pJTLf4
  3. 銀色のタイプ。タンはまっすぐ放射状。このへんから9ノートになっています。
  4. 青っぽくなって各面の間にスジが入ったタイプ。
  5. タンが曲がったタイプ。制作者によると傾けると響きが違うのだそう。
  6. 最新版。縁が金属製(Brass rim)になってさらに青黒く(2019年)。

概ねここで書いている「3:銀色」の世代あたりから日本などにも広まってきている印象があります。マイナーチェンジで着実に進化しているのかというとさにあらず。私の手元には3のB Celticと5のB RUSがありますが、3のB Celticのほうが同じ音のタンを叩いても響きが豊かな気がします。まあこの辺は個人の好みでしかない気もしますが。

新型のブラスリムですが、当然ながらぶつけると凹みます。見栄えはかっこいいのですが、ちょっと気を遣う必要が増えてしまいましたので悩ましいところです。

 

参考:

www.youtube.com

 

その他のタンドラム

調べている間に見かけた中からちょっと興味深かったものを。

YW PULSAR

https://www.yudinworkshop.com/
これもロシア製。盤面をカスタマイズしてオーダーメイドできる。RAVよりお手頃。

最大13音! YW Pulsar Bb2 Custom - YouTube 

GUDA Drum

ウクライナのタンドラム。表面の模様が美しいです。
大きいのから小さいもの、両面にタンがあって1台で2つのスケールを持つものなど、バリエーション豊かです。スケールの種類も多彩。Akebonoスケールもあります

タンドラムなのですが、音はRAV Vastよりハンドパンっぽい音がします。

(本家と元祖みたいなのがあるのか、販売元がいくつかあります。どっちで買うべきか、正直よくわかりません。どちらも独自に発展している感じで。)

https://gudadrum.com/ おそらく創始者の Dimitori氏のほう

https://guda-drum.com/ おそらく分家筋のZen-Percussion社のほう
ところでZen-Percussionのほうはモデルごとに演奏例のビデオが充実してるのですが、比較的シンプルな演奏でハンドパン初心者の良い参考になる気がします。

喜楽器ガンクドラム

http://gankdrum.com
日本製。かつてガスボンベから作っていたタンドラム。今は専用のステンレスのようです。
タンの隣同士の音の共鳴が美しいです。

Hapi Drum

http://www.hosco.co.jp/japan/products/hapidrum.html
日本では手に入りやすい

KAA TONE

https://vk.com/kaa_tone
同じくロシアのスティールタンドラム

TUNGA

https://tungdrumcompany.com/tunga-hardwood-handpan/
木のハンドパン。アイルランド製。
木の四角いのは多いですが丸いハンドパン型は少ないかも。

Sew HandPan

http://www.sewhandpan.com/
上半分は金属で、下半分が木のハンドパン。

 さざなみドラム(わたぐも氏)

沖縄でタンドラムを制作されています。少しずつ販売も開始されました。
新型ではなんと、ドラムの中にボールを内蔵しており、叩くだけでなくドラムを傾けることでも音が鳴ります。大自然の波のようなランダムな音色がたまらないユニークな奏法が可能。

https://tongue-drum-sazanami.stores.jp/

http://watagumohuwahuwa.blog.fc2.com/

https://www.youtube.com/channel/UC7TlAuhKUXYMc-R-nBWFBkA/videos

Orion Tonguepan

https://www.oriondrum.com/

またしてもロシアのサンクトペテルブルグのタンドラムブランド。

Regular、Medium、Miniと3つの大きさがあります。タンの形はYW PULSARと同じ感じ。

価格も500$とRAVよりお安いのと、こちらもAkebonoスケールがあります

EOX Tongue pan

https://eoxdrum.com/

冒頭の動画でも出ているハンドパン奏者のNadishana氏プロデュース...?の新ブランド。

YW Pulsarとタンの形が似ています。同じくノートの追加やベース周波数や左右レイアウトなどカスタマイズができます。価格もお安め。GUDAと同じく両面タイプもあります。